一橋大学大学院法学研究科法学部

国際法秩序を学ぶことが、国家間に横たわる諸問題解決の鍵になる

国際法総論I 川﨑恭治教授

 竹島問題の国際司法裁判所への一方的付託の可能性に日本政府は先日言及しましたが、韓国がそれに応じない限り、裁判所はその管轄権を行使することはできません。これは、国際法秩序が、基本的には、国家間の合意に基づいていることを示しています。他方、尖閣諸島沖の領海を中国の船が侵犯したと報じられていますが、領海侵犯というのは紛らわしい用語で、一般に外国船舶は他国領海内では「無害通航権」を有しているので、領海に立ち入ったことそれ自体ではなく、立ち入りが「無害」ではなかったことが問題なのです。
 この講義を履修することによって、国際法秩序の基本的な仕組みと、さまざまな個別の国際法規則の内容についての理解を深めてほしいと思います。
 法曹の道に進もうと思っている人は、国際(公)法の知識がないと、国家間に生じる法的問題や国内外の人権問題にじゅうぶんに対処することは不可能です。
 国際政治に興味を持っている人も、ぜひ国際法を学習してほしいと思います。人体にたとえると、国際法は骨格で、国際政治は筋肉のような役割を持っています。日本の外交政策に携わるには、この両方の知識が不可欠なのです。(談)