一橋大学大学院法学研究科法学部

「国際関係をみる眼」を身につけ、問題を発見し、解決方法を考える

国際関係論 大芝 亮教授

 国際関係論は、国際関係の構造や国家間の関係を扱うため、外交官や国際機関スタッフ、さらにひろく国際社会で活躍することを目指す学生には必須の科目です。とはいえ、日本の社会も、あらゆる面でグローバル社会と結び付いていますから、この科目は多くの学生がもともと持っている興味・関心を、より深められる授業にもしたいと考えています。
 国際関係論では、国際関係のさまざまな現象を理論的に分析します。国際関係における理論とは、どのような角度・視点から国際関係をとらえるかという国際関係をみる眼のことです。たとえば、勢力均衡論では、冷戦時代の国際関係を米ソ2極体制とみますが、覇権安定論といわれる理論では、パクス・アメリカーナという1極体制とみます。ずいぶん違った見方をするわけです。
 国際関係では、理論的な見方とともに、歴史的な見方を身につけることも重要です。両者は、国際関係をみるうえで、縦と横の関係ともいえ、双方の視点を持つことにより、より深い理解が可能となります。
 国際関係をみるさまざまな視点を理解することは、現実の外交交渉においても有効です。交渉相手は、はたしてどのような世界観を持っているのか、どのような視点から自国との交渉をとらえているのか。こうした相手の視点・論理を理解しておくことは交渉を進めるうえで不可欠です。加えて、そもそも国際関係におけるさまざまな問題を解決する方法を考えるうえでもきわめて重要なことです。
 それでは、国際関係において何が解決すべき問題なのか。問題に気づくということは実は決して容易なことではありません。そのためには、私たち自身が、どのような社会、国際社会を築いていきたいのか、理想を持っていることが必要です。自分自身の理想像を描くには、国際関係論はもとより、ほかの社会科学や人文科学、そして場合によっては自然科学を学ぶこともまたお勧めしなければなりません。(談)