一橋大学大学院法学研究科法学部

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ご挨拶

一橋大学大学院法学研究科長・法学部長 只野雅人一橋大学大学院法学研究科長・法学部長
只野雅人
  一橋大学では、1951年(昭和26年)に商学部、経済学部、法学部、社会学部からなる現在の4学部体制が確立しました。それ以来、すでに60年以上の歳月が流れました。その間、一橋大学は、社会科学の研究総合大学として、実学を重視する伝統とリベラルな学風のもと、各界に多数の優秀な人材を送り出し、わが国の政治・経済・社会の発展に寄与してきました。
 法律学については、本学の前身であった東京商科大学以前にさかのぼる明治・大正の時期から教育・研究が行われていましたが、法学部の独立後は着実に体制の整備を行い、伝統的な法律分野の教育・研究を整備・拡充するとともに、国際関係論の分野においても、わが国学界の先駆者としての役割を果たしてきました。
 1999年(平成11年)には、大学院法学研究科の部局化が実施され、教員の所属が学部から大学院に移りました。その後、2004年(平成16年)に専門職大学院である法科大学院(法学研究科法務専攻)が開設され、2005年(平成17年)には、経済学研究科と協力し、同じく専門職大学院である国際・公共政策大学院が開設されました。さらに2018年(平成30年)4月より、ビジネスロー専攻があらたに加わり(国際企業戦略研究科(ICS)経営法務専攻の改組・統合)、法学・国際関係専攻、法務専攻と合わせて、3専攻体制となりました。
 今日の社会では、様々な領域で、国境を越えた複雑な利害対立や紛争が増加しています。経済活動のグローバル化、難民・移民の増加、国際紛争、環境問題など、激しい変化の中で次々に課題が生じ、新たな利害調整と紛争解決のルールが模索されています。課題は多岐にわたっており、しかもそのいずれもが、相互に関連しているだけでなく、日本国内の問題とも密接な繋がりをもっています。広い視野から、これらの解決をめぐるルールの形成や運用、課題への対処を担いうる人材が求められています。一橋大学法学部・大学院法学研究科では、これまでの伝統と実績を基盤としつつ、こうした課題にも対応すべく、新たな取り組みを続けています。
 法学部では、法律学と国際関係論の二本立ての教育を行ってきました。法律学を学ぶ学生 にはよりグローバルな視点を開く一方、国際関係論を学ぶ学生には法律の素養を提供してきました。さらに、長短期の留学、英語授業、海外大学との合同ワークショップ、大学院教育との接続などを含む、法学部版GLP(グローバル・リーダーズ・プログラム)が、2017年度より本格的にスタートしています。伝統ある法律学、国際関係論の講義、少人数のゼミナール、そして海外での経験を通じて、専門知識の修得だけでなく、変化の激しい時代に向き合うことのできる基盤を涵養してゆきます。
 法的思考の基礎をつくるこのような伝統ある法学教育を基盤として、さらに学外からも広く優れた人材を受け入れて、法曹養成で優れた成果をあげてきたのが法科大学院です。法科大学院教育の成果は、優れた司法試験合格実績にも表れていますが、それ以上に強調したいのは、修了生が多方面で活躍し、法律家として高い評価を得ている、ということです。修了生それぞれが、様々な分野で、法律家の可能性を広げるような活躍をしています。2018年4月には、さらに、法律実務に携わる社会人を対象に、高度な法務・法曹人材の養成を担うビジネスロー専攻が千代田キャンパスに設置されました。
 法学研究科ではまた、これまで優れた多くの研究者を輩出してきました。国内のみならず、海外の大学・研究機関でも、法学研究科出身の研究者が活躍しています。こうした伝統を受け継ぎながら、さらに今日の社会が直面する国内外の複雑な課題に対応しうる新たな世代の研究者を育成するべく、「次世代の法学研究者・法学教員養成プロジェクト」を通じ、研究者を志す大学院生に対して様々な支援を行っています。
 以上のように多面的な教育プログラムを着実に実施して行くためには、個々の教員が研究者としての能力を高め、それを高い水準の教育へと活かしてゆくことも欠かせません。法学部・法学研究科では、これまでも法学、国際関係論の分野で、優れた研究の蓄積があります。そうした基盤をもとに基礎的研究をしっかり継続する一方で、さらに今日の社会が直面する新たな課題に対応し、また国際的な研究成果の発信を進めてゆくために、2016年(平成28年)、グローバル・ロー研究センターを設置しました。同センターは、国際的な研究ネットワークの構築と研究成果の発信に努めるだけでなく、研究成果を教育に還元することをも目指しています。
 これらの取り組みを通じ、法学部・法学研究科が一体となって、教育・研究の一層の充実に努めて行きたいと思います。