一橋大学大学院法学研究科法学部

■ 中国ビジネス法務と腐敗・不正──転ばぬ先に学ぶ法、転んだ時に生かす法──

 企業による不祥事・企業犯罪等に注目が集まる現在において、企業活動の適正な管理は、単に企業の社会的責任を果たすためだけでなく、ビジネスのリスクマネジメントを最適化し、継続的かつ安定的な企業活動を実現するためにも、必須の事項です。本セミナーでは、日中ビジネス法務における腐敗・不正に関する法的規律を検討し、日本企業の中国における健全な企業活動に必要となる知見を提供致します。

 日中ビジネス法務における腐敗・不正について、まず、王雲海教授(一橋大学大学院法学研究科)の基調講演により、問題の全体像を把握し、続く第1セッションにおける尾崎道明弁護士(瓜生・糸賀法律事務所)の報告において、問題の法的規律について国際的な協力体制を中心とする制度的観点から、検討を行います。その上で、第2セッション及び第3セッションにおいては、中国でも有数の弁護士事務所である天達共和法律事務所の弁護士をお招きして、中国法務の観点から、腐敗・不正の防止及びこれらへの対応を検討します。

 【日時等】

日 時:2017年2月6日(月)13:00~17:00(受付開始12:00)
会 場:学術総合センター・中会議場
 〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋 2-1-2
主 催:一橋大学大学院法学研究科・グローバルロー研究センター
共 催:天達共和法律事務所

 【セミナープログラム】

総合司会:酒井太郎氏(一橋大学大学院法学研究科・教授)

開会の辞(13:00~)

 葛野尋之氏(一橋大学大学院法学研究科・研究科長)

基調講演(13:15~13:45)

「贈収賄をめぐる法制度と規制原理──中国・日本・米国──」

 王雲海氏(一橋大学大学院法学研究科・教授)

第1セッション(13:45~14:45)

「腐敗防止に向けた国際的ルールと執行(国連腐敗防止条約、OECD外国公務員贈賄行為防止条約、不正競争防止法、犯罪人引渡及び国際捜査共助)」

 尾崎道明氏(瓜生・糸賀法律事務所・弁護士)
 ディスカッサント:張青華氏(天達共和法律事務所・弁護士)

休憩(14:45~15:00)

第2セッション(15:00~16:00)

「腐敗防止に関する中国の法的規制(刑法上の贈収賄罪、行政処罰規定、共産党内規)」

張和伏氏(天達共和法律事務所・弁護士)
ディスカッサント:島田英樹氏(JETRO)

第3セッション(16:00~17:00)

「外国企業の商慣行に対する中国独占禁止法のケース・スタディ(再販価格の制限、割引制度ほか)」

 韓晏元氏(天達共和法律事務所・弁護士)
 ディスカッサント:大矢一夫氏(公正取引委員会)

閉会の辞

青木人志氏(一橋大学大学院法学研究科・一橋大学中国交流センター代表) 

【参加申込み等】
※定員に達したため、参加申込みの受付を終了いたしました。
 参加をご希望の方は、件名を「日中企業法務セミナー」とし、本文に①お名前とふりがな、②ご所属を明記の上、一橋大学大学院法学研究科グローバルロー研究センター<syposium20170206@law.hit-u.ac.jp>に、1月27日(金)までにメールにてお申し込みください。なお、定員(150名)に達しましたら、受付期限前であっても受付を終了いたします。また、本セミナーへの参加費は無料です。

【講演者・ディスカッサントプロフィール】
○ 王雲海氏
 一橋大学大学院法学研究科・教授。1982年に、中国西南西法大学法学部卒業。1984年に来日後、一橋大学法学研究科で修士号および博士号取得。1999年4月から2000年9月まで米国ハーバード大学ロースクール客員研究員を務め、2003年7月より現職。2011年4月から2014年3月(日本)法文化学会理事長。
 著書は、『賄賂はなぜ中国で死罪なのか』(国際書院、2013年)、『賄賂の刑事規制―中国・米国・日本―』(日本評論社、1998年)等多数。

○ 尾崎道明氏
 瓜生・糸賀法律事務所・弁護士。1976年に東京大学法学部を卒業後、司法修習(30期)を経て、1978年に検事(東京地方検察庁)に任官。検察官として活躍する一方で、法務省刑事局国際課長等も歴任。2010年には公安調査庁長官に就く。その後、高松高等検察庁検事長・大阪高等検察庁検事長を務めた後に、2015年に検事長退官。2016年より現職。
 なお、1980年にはハーバード大学ロースクール法学修士(LL.M.)修了。

○ 張青華氏
 天達共和法律事務所・弁護士(パートナー)。1985年中国政法大学法学学士取得。1989年に来日し、1996年まで一橋大学にて在学し、法学博士課程修了。1994年より天達共和法律事務所駐東京代表を務め、2001年より現職。
 1990年代初めから、中国の改革開放期間中、外国企業による中国投資業務に多く携わり、中国国内における外国企業による外商投資企業の設立を数多くサポートしたほか、企業の法律顧問として長期間にわたり活躍している。また、2000年以降は、知的財産権の分野で多くの外国企業の知的財産権保護に関する業務を手がけている。

○ 張和伏氏
 天達共和法律事務所・弁護士(パートナー)。1983年に中国政法大学卒業(法学学士)、1986年に中国政法大学大学院民商法研究科修了(法学修士)。中国法政大学・講師、中国法律事務センター・弁護士を歴任し、1992年に来日。森・濱田松本法律事務所・外国法事務弁護士等として活躍。2006年に北京・中倫法律事務所パートナーとなり、同事務所東京事務所主席代表に就任。2010年8月より現職。
 M&A、アンチダンピングと反補助、外商投資、海外投資、労働法分野で活躍。また、中国政法大学特任教授、武漢大学法学院特任教授、一橋大学大学院国際戦略研究科非常勤講師としても活躍している。

○ 島田英樹氏
 1998年 東京三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。2002年 銀行派遣により北京大学留学。2003年 東京三菱銀行北京支店、大連支店にて大企業取引全般、中国当局との折衝等に従事。2005年 日本貿易振興機構(JETRO)入構、2009~16年の7年にわたり日本貿易振興機構北京事務所に勤務。日系企業支援の専門部署である進出企業支援センター長として、拠点設立、法務・労務・税務・会計、事業再編(含む撤退)などで問題を抱える企業に対する相談対応に従事(累計約3,000件)。さらには中国政府や政府機関等に対し、事業環境改善に向けた働きかけ、パブリックコメントや建議の提出などを担当。著書は「中国におけるビジネスリスクの高まりと対処法のケーススタディ」、「中国経済最前線:対内・対外投資戦略の実態」、「中国政府による景気刺激策と効果、日本企業のビジネスチャンスとリスク」、「中国企業の国際化戦略-「走出去」政策と主要7社の新興市場開拓-」など。

○ 韓晏元氏
 天達共和法律事務所・弁護士(パートナー)。1998年より神戸大学法学研究科に在籍し、2000年に法学修士を、2004年に法学博士を取得。北京の金杜法律事務所・弁護士、潤明法律事務所・弁護士(パートナー)を歴任し、2011年より現職。
 複数の業界に跨る外商投資企業の設立、買収(独占禁止申告を含む)及び清算業務等で活躍。また、法律顧問サービスにおいて、契約リスクの発生防止や商業賄賂等の各種法的リスクの回避等日常の経営活動中に発生する様々な問題に対応。著書は、『中国のビジネス実務:契約書の作成と運用Q&A100』(日本第一法規株式会社、2014年10月)、『非訴訟業務を取扱う弁護士の基礎的実務』(共著、中国人民大学出版社、2014年5月)等多数。

○ 大矢一夫氏
 公正取引委員会事務総局官房国際課企画官(2016年6月~現在)。1997年4月に公正取引委員会事務総局に入局後、官房、経済取引局、審査局の各課に配属。その間、総務省総合通信基盤局電気通信事業部料金サービス課に出向(2007年~2009年)。また、2013年6月から2016年6月までの間、在中国日本国大使館に勤務。同大使館においては、経済部参事官として、独占禁止法・競争政策を中心とする中国経済の動向を調査・把握するとともに、関連する日系企業からの相談に対応。中国の競争当局である国家発展改革委員会、商務部、国家工商行政管理総局の各独占禁止局との交流を促進する業務にも従事。
 1997年3月一橋大学法学部卒業、名古屋市出身。